元気よく泳ぐために

 このコーナーではクマノスに寄せられた様々なお悩みを解決して、元気よく泳いでもらうための情報を掲載します。私たちの身体は十人十色でそれぞれ違います。自らの理想の泳ぎを獲得するためのヒントに少しでもなって頂ければと思います。

クロールやバタフライでのリカバリーの際
肩が上手く回りません

リカバリー期は水中から腕を出し重力を受けるようになるので、どなたでも腕の重さを感じる瞬間になります。このリカバリーからエントリーまでを上手くコントロールすることで、後のキャッチ動作をスムーズの行うことができるようになります。

 
けれどもなんか上手くいかない。そんな方は以下のことに気をつけて見ると、元気にスムーズに負担なくリカバリーできるかもしれません。
 

背中の動きが硬いかもしれない?

 
コーチにバタフライでは「身体はあまり反らないように」
 
もしくはクロールでは「ローリングし過ぎないように」と教わるはずです
 
これはもちろん水の抵抗を極力減らすために必要不可欠なことです
 
ですが、何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」で、腕を回すのに必要な動きまで制限してしまうことが多いようです
 
リカバリーする際、解剖学的には「胸郭(きょうかく)の動き」が非常に重要になっていきます
 
胸郭とは胸の部分ある背骨「胸椎(きょうつい)」とその胸椎を取り巻く「肋骨(ろっこつ)」「胸骨(きょうこつ)」で構成されている部分です
 
 
人間の構造上、リカバリーの際、肩・腕を回すためにはこの胸郭の伸展(背中を反らせる動き)と回旋(捻る動き)が必要になってきます
 
この胸郭の動きがないとどんなに肩の柔軟性があっても腕が上手く回らなくなってしまします
 
 
やはり解決策としてはフォームと柔軟性の改善がカギになります
 
特に柔軟性はどんなに綺麗なフォームを意識していても
 
体の柔軟性がないために「やりたくてもできない」可能性があります
 
 

胸郭の柔軟性チェック

1、頭後ろで手を組み左右に傾ける運動に左右差はないか?
 

 
2、バンザイした状態で左右に傾ける運動に左右差はないか?
 
 
3、スフィンクスのポーズでみぞおち付近は地面に着くか?
 
 
4、正座の状態で胸郭を回旋する運動で左右差はないか?
 
 
5、正座の状態で丸めたり反らしたりする運動ができるか?
 
 

肩甲骨との連動は上手くいっているか?

せっかく胸郭の動きが出たところですが
 
腕との連動がうまくいかないと結局いつもの通りになってしまいます
 
胸郭と腕をつないでくれるのが有名な肩甲骨の動きになります
 
胸郭ー肩甲骨ー腕の連動を向上させることがスムーズなリカバリーのカギになります
 
泳げば良いと言えばそこまでですが
 
陸でできるトレーニングをご紹介します
 

 

 
1、IYTW
 
 

 

 
2、ソラッシックローテーション
 
 

 
 
3、ソラッシクローテーションリカバリー
 

 
 

人間の体にはルールがある

肩関節の構造上、肩甲骨を基準としたラインより後ろに腕を引いた状態では
 
腕が上がりません!
 
 
HAHAHA それはそうでしょ?と思った方の中でリカバリーの際に肩に重みを感じている方は、知らぬ間にこの逸脱が起きている可能性があります
 
ご注意を!
 
 
フォームのポイントはコーチに教わった通り
 
クロールの場合:獲得した回旋能力を駆使して、エントリーする方を前方に伸ばすようにして胸椎の回旋を使って胸から腕を水面に上げていくようにする
 
この時、体幹部より肘が後ろに引かないくらいがスムーズでロスが少ない泳ぎと言えるでしょう。
 
特にリカバリーの際にテンポよく早く腕を回そうと思うと、ついつい胸郭の回旋をサボりがちで、腕だけぐるぐる回してしまうことが多いようです
 
 
バタフライの場合:獲得した伸展能力を駆使して、腰ではなく胸椎を伸展させて水面より肩を浮上させ、腕を必要以上に高く上げずに、低く前に出すようにする
 
これもやはり胸椎を伸展させることにより、腕を必要以上に上げることなく腕が回るようになるので、腕の疲労感がグッと下がるようになるはずです
 
また、胸椎が上手く使えるようになることで、腰部の必要以上の反り返りがなくなり、腰痛予防にもなりますので、一石二鳥ですね。
 
 
自分の理想の泳ぎを実現するために最低限の柔軟性を獲得することが、元気よく泳ぐために大切になっていきますね
 
クマノス?